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雪原の生活日誌・・・と、ちょっぴ小説

私の活動記録を書いたり、小説をちょっぴり書いたりします。 まだ、書き始めたばかりなので正直下手ですけどよろしくお願いします。 コメント何かくれたらとてもうれしいです!

短編小説2 ~続くまで~  参

彼女と出会ってから、すでに2週間ばかりの時間がたった。

この2週間は僕にとっては幸せな時間とも言えるだろう。

学校ではかなり浮かれすぎて周りから心配されることもあったけどこれは仕方がないことだと思う。

だって、今まで青春というものを一つも経験したことがない。女の子と2人っきり・・・コレで浮かれるなと言うのは僕には無理な話だ。

僕はお店の中から椅子に座り外を眺める。

そこには、箒を持って一生懸命お店の前を掃く女の子がいた。

時折、後ろを振り返って僕の顔を見るとニッコリと笑ってくれる。それに対して僕もニッコリ笑いながら手を振る。

こんな生活が2週間ばかり続いた。しかし、お店の経営状態は大して変わらず今もこうして暇をしているわけだ・・・

強いて変わったところを上げるのなら、お店の雰囲気が少し変わったことくらいだろう。

「こんな、古くて寂れたところに花があると変わるもんだな・・・」

苦笑しながら僕は言った。

2週間前・・・。僕は倉庫にあった謎の空洞で彼女を見つけた。

そこから、僕の幸せともいえる生活が始まったのだ。彼女の名前はイベリス。精巧に作られた人形。

それ以外の事は僕は何も知らない。不審に思うのが本当は普通かもしれないが僕はまったく気にしなかった。

なぜなら、ここは僕の家ではないからだ。元は祖父の家で父は婿養子として母の家に言ったのだ。

僕がこの家にいるのは単にここからの方が自分が今通っている学校が近いからという理由でここに住んでいる。

小さい時から人形に興味のあった僕はここに遊びに来てはよく祖父に遊んでもらった。

それから祖父が死んでしまったのは、僕が中学に上がる前の話だ。唐突な出来事に僕は涙も出なかったのを覚えている。

人形のように冷たく動かなくなってしまった祖父を見て僕はただ見ているだけだった。

それから僕はこの家に住むようになり今現在にいたる。

たぶん彼女は祖父がここで生活をしていたよりももっと前・・・本当に魂が宿る人形がいた時代か、その後かは分からないがそのくらいにはいたのではないのかと思う。

なぜなら、彼女に施されている細工が祖父の造った人形にされている細工と似ているからだ。

祖父が死んでしまう前に一度だけ、細工のことについて聞いたことがあった。それは古くからこの家に伝わるもので、祖父自身もいまだ修行中だったという。

それに、空洞で見つけた彼女の入っていた棺おけのような箱はかなりの埃をかぶっていた。そこから僕はかなり古いものだと思ったのだ。

僕よりも彼女の方がこの家にずっと昔からいた。

だから、本当はイベリスがこの家に来たというよりも僕が勝手にこの家に上がりこんだというような感じが僕にはしてならない。

まあ、それは彼女をここに残すための僕の勝手な妄想の言い訳だ。それに、彼女がいて何も問題はないのだし、追い出す理由もないのだから。

僕がぼんやりと外を眺めていると、掃除が終わったのかイベリスは何かビニールの袋を抱えてお店に入ってきた。

「お疲れ様。・・・それどうしたの?」

「つい先ほど、お掃除していたらお隣のおば様がりんごをくださいました」

そう言ってイベリスは嬉しそうに袋を持ち上げて僕に見せた。

一体いつ来たのだろうか?と疑問に思ったが、人が来ても気がつかないくらい浮かれていたのだろう。

そんな自分自身に僕はつい苦笑してしまうのだった。

「何かおかしなことがあったんですか?シュウ」

イベリスは僕が突然、苦笑したの疑問に思い首をかしげながら聞いてきた。それに対して何でもないと僕は答えた。

それから、お店は相変わらず人が来ることもなく閉店の時間までりんごを齧りながらイベリスと話しながらすごした。

この家自体は元は大きなお屋敷だったらしいが今はその名残と言うものが一切ない。日記には何度か小さくするために立て直したとかそんな事が書いてあったが、

僕自身の願いを言ってしまえば、大きな屋敷のまま残しておいて欲しかったと思う。

しかしながらそう言うわけにもいかず、売れない人形を作っていれば当然のごとくお金がなくなってくる。人形一体作るのにもタダと言うわけではない。

家を維持することができないため仕方がなく小さくしていったのだろう。

でも、世の中そんなに捨てたものではないらしく、時々だが人形を作って欲しいと頼む人がいたり、店に置いてある人形を買う人がいたりする。

そんな事もあってか、今現在こうして生活をすることができるわけだ。ちなみに、何の目的でその人形を買うのかは不明だ。





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  1. 2009/08/21(金) 23:09:05|
  2. 小説
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短編小説2 ~続くまで~ 弐

ある町の古いお屋敷・・・

その周りには近代的な建物が立ち並び、道路には車が走っている。

そんな町の少しばかり隅の方にある古いお屋敷。

周りと時間が少しずれているような不思議な場所。

そんなお屋敷の扉を叩くスーツを着た男がいた。

――――――コン、コン、コン・・・

鞄を持ったスーツの男が扉を叩きしばらくすると、ゆっくりとその扉が開き中から黒い髪の女の子が顔を出した。

「あの・・・どちら様でしょう?」

「こちらの、お屋敷の主に少しばかり用事がある」

「あ・・・ご依頼の方ですね」

女の子は用事という言葉を聞き軽くお辞儀をしてお屋敷の中に招き入れた。

お屋敷の中に置いてある家具はアンティーク品のように古い物だがしっかりと手入れが置き届いている。

壁には派手な装飾もなくシンプルに造られていて、絵が飾れている程度だ。

どの絵も風景の絵が描かれている。

ここの主の趣味なのだろうか、美術展にあってもおかしくないほどの綺麗な絵が飾られている。

しばらく歩くと、女の子は一つの部屋の前で立ち止まる。

「どうぞこちらの部屋にお入りください」

スーツの男は女の子に軽い会釈をしてドアに手をかけて中に入った。

部屋の中にはソファーがテーブルを挟んで向かい合わせに置かれていて、その奥には大きい立派な机とそれに見合った椅子が後ろ向きあった。

「いらっしゃいませ。今日はどういったようで?」

声と同時に椅子が動きそこには、年齢は高校生くらいの黒い服を着た男が座っていた。

「あなたが、このお屋敷の主ですか?」

スーツの男は疑うように黒い服の男に話しかけた。

「ええ・・・。ここの主は私ですけど?何かご不満な点でもありますか?」

「いえ、そう言うわけではありません。ただ・・・若すぎる・・・とでも言ったらいいのでしょうか・・・」

「まあ、人それぞれですよ。私がここの主をやっているのも、あなたがここに来たのも色々な理由があります・・・」

黒い服を着た男は少し苦笑をして、スーツの男を見た。

「あ、申し送れました。私は警察署から来ました片瀬 一と言います」

片瀬 一と名乗る男はスーツの内ポケットから名詞を出し机の上においた。

「どうも、ここの屋敷の主をやっています・・・。そうですね・・・名前はタケルとでも名乗っておきましょうか」

適当に名前を名乗ると、タケルはまた苦笑をして聞いた。

「それで、片瀬さん。今日はどういったご用件で?」

タケルがそう聞くと、片瀬は自分のもっていた鞄から大きい封筒を出して渡した。

「このことについて、協力して欲しいと思い来ました。・・・話によるとこう言った事には一番の人物かと聞いております」

タケルは渡された封筒を開けて中身を見ると、そこにはクリップで止められた数枚の紙と写真が入っていた。

写真には、両手を大きく広げて宙に吊るされて死んでいる人の写真や、フェンスに縛り付けられている写真など、

どれも普通ではありえない死に方をした人の写真だった。いわ入る現場写真と言うものだ。

タケルは数枚の写真に一通り目を通すと、次にクリップで止められた数枚の紙を見始めた。

紙の方には現場の現状が細かく書かれている。報告書のようだ。

「私も色々な事件を担当してきましたが、今回の事件ほど残酷で不気味な・・・人ではありえない事件は見たことがありません。どうかお願いします」

そう言うと、片瀬はタケルに頭を下げた。

しばらくして、タケルは何か言おうとしたその時、ドアからノックの音が聞こえた。

タケルがどうぞと、言うとドアが静かに開いてさっきここまで案内してくれた女の子が顔を出した。

「失礼します。あの・・・、紅茶の方が入りましたのでお持ちしました」

女の子はそう言うと紅茶の入ったカップ二つ持ち、部屋のテーブルの方に一つ静かに置いた。

タケルは今まで見ていた写真と報告書を手早くもとの封筒に戻し、優しくありがとうというと女の子から紅茶を受け取った。

紅茶を渡すと女の子は嬉しそうな顔をしながら最後に、失礼しましたと、軽くお辞儀をして部屋を出ていた。

部屋に紅茶のいいにおいが漂う。タケルは紅茶を一口飲み言った。

「片瀬さん。この依頼を受けるあたって一つお願いがあるんですがいいですか?」

「なんです」

「この事件に関して全て私に任せてください」

タケルは真剣な目で片瀬を見た。その目はどこか恐怖を覚えるよなそんな怖い目だった。

片瀬は蛇に睨まれたようにしばらく動くことができなかった・・・。

一瞬、身の危険を感じるほどの鋭い目。片瀬はただ、はい、としかうなずく事ができなかった。

その後、タケルは紅茶をまた一口飲んだ。

「さて、依頼の話はこれくらいにして紅茶でも飲んでください。葵が入れてくれ紅茶はおいしいですから」

タケルがそう言う時にはさっきの目ではなく初めて会ったときの普通の目をしていた。

そして、片瀬はテーブルに置いてある紅茶を飲みそのお屋敷から帰っていった・・・。



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  1. 2009/04/17(金) 00:20:32|
  2. 小説
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短編小説2 ~続くまで~ 壱

ただ僕は少女の目を見続けた。

その目は水晶で出来ているのか、とても透き通った緑色。

でも、ただの水晶ではない。

かなりの細かい細工がされているようで、まるで本物の人の目のようだ。

しかし、本物にはない、綺麗な目・・・

僕は疑問に思った。

このような細工を水晶に出来るのか?

不思議に思うことは色々あった・・・けど、それどころではなくなった。

少女の腕が、口が何かを伝えようと動き始める。

微かに少女から声が漏れるが、小さすぎて聞こえない。

口元に耳を近づけてみる。

「す・・・・・・す・・・みません。起こしてもらっていい・・・ですか?」

「え?あ・・・はい。分かり・・・ました」

僕は少女の手を取り、少し引っ張りながら背中に手を添えて上半身を起こしてあげた。

見た目は本物の人のようだが、触れてみると人形だということがハッキリと分かる。

服の布越しでも分かる木の硬さと冷たさ・・・。

棺桶のような箱はかなり古いもののようで埃のかかりぐらいで、少なからず僕が生まれる前からこの箱はあったのが分かる。

しかし、その中に入っていた少女の人形は驚くことに、どこも傷んでいなかった。

それどころか、完璧に手入れされた人形のように綺麗に動く。

少女は腕を伸ばして、大きく伸びをしてから、僕の方をジッと見つめる。

僕は学校には通っているもの青春と呼べるようなそんな出来事は一つもないし、女の子と話したことなど、両手で数えてもあまるくらいだ。ましてや、女の子にジッと見られたこともない。

相手が例え人形だとしても、女の子だ。

僕はどうも恥ずかしくなり、顔を背けて少女に聞いた。

「えー・・・と・・・。その・・・僕の顔に何かついてるかな・・・?」

「ぁ・・・・・・」

少女は何か喋ろうとしたが、何を思い止まったのか開きかけた口を閉じて下の方を向いてしまった。


空洞は静けさを取り戻す。その静かさが凄く僕には怖く感じた。

長い時間、誰の目にも触れる事のなかった場所、ここは僕が知っている世界とは違う。

異なった・・・別の世界。未知な世界。

知らない事にこれだけ怖いと思うことは今までなかったと思う。

でも、怖いと感じる僕自身の中に、この怖いと感じる知らない世界を知りたいと思っている自分もいる。

「とりあえずここは寒いからさ。別のところに行かないかな・・・?」

僕はそう言い、別の所を見ながら少女に手を差し伸べた。

少女はしばらくして小さくうなずき、僕の手を取った。

壁際に梯子があった。これもずいぶんと古いもので、凄い埃をかぶっていた。

そこから外に出る。外はさっきいた空洞の場所よりも空気が綺麗で、月の光で照らされていて明るかった。

少女は外に出るなり、たくさん積まれている木箱を見てボーッとしながら回りを見る。

僕は「こっちだよ。」と少女に声をかけると少女は僕の方に近づいてくる。

倉庫から出ると、月明かりだけが僕たちを照らす。外は静かで聞こえてくるのは風の音と虫の声だけ。

一体どれくらいの時間・・・僕はあの場所にいたんだろう。

そんな事を考えながら僕は倉庫に鍵をかけて、家の中に入っていった。






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  1. 2009/01/29(木) 22:06:51|
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短編小説2 ~続くまで~ 序

その昔、魂の宿る人形がいた・・・

僕は昔、お父さんにそんな昔話を聞いたことがある。

小さかった僕は、その話を信じてよく人形に話しかけていた事があった。

このことを知っているのは、僕の家族とその時話していた人形だけ・・・

僕の家は古くから人形を扱うお店で、店の奥には人形を作るための材料や道具が置いてある。

今ではお客も少なくなってしまい、来る人といえば隣のお婆さんだったりだとか、物珍しさに入ってくるお客だけ。

まあ、ここの店においてある人形は全て、木で出来た等身大の本物にそっくりの人形で中にはそれを見て気味悪がったりする人もいる。

ここには、綺麗な布で作られた人形がおいているわけでもないし、お宝と呼べるような大層なものもない。

そもそも、このお店が建てられるキッカケはいたって単純なモノだったと言う事を僕はつい最近、倉庫の整理をしている時に偶然見つかった古い日記を見て知った。

古い日記は所々かすれて消えていたりして読むの時間がかかったけど、何とか読む事が出来た。

中には色々と書かれていたけど、簡単にまとめると、興味本位だったらしい。

しかし、その興味本位で始めた人形作りに、すっかりはまってしまったらしくそのまま作り続けその技術や色々な事が子供に受け継がれ、今に至ると言う。

僕の父は残念な事に人形に興味がなく、代々伝わって来た技術を受け継いでいない。

そのため、僕は毎日のように埃まみれになりながら、倉庫の中を整理しながら色々と探している。

この日記もそのうちの一つである。


今日も倉庫の整理で追われる・・・

上に積まれている木箱から順番におろして行き外に出すと言う作業を行い、掃除をして木箱を綺麗にして、中身を確認するそう言ったことをずっと繰り返す。

日が暮れ始めると綺麗にしたところに戻し、面白そうなものを見つけるとそれを店の奥の方に運び、詳しく調べてみる。

そんな作業を続けて来て、だいぶ中の方がすっきりして来た。

残すは、一番奥の方の整理をすれば、倉庫の中の整理が全部終わる。


夕方・・・

すでに太陽は沈みきり辺りは暗い。

僕は最後の木箱を持ち、それをしまいに倉庫の中にある古い梯子を使い最後の木箱を上の方に置いた。

やっと、今日の分の整理が終わった。

僕は、大きく息を吸い込み吐き出し、古い梯子から降りようと足を動かした瞬間だった。


――――――ミシ・・・・・・――――――

不吉な音が足元から聞こえた。


「・・・・・・落ち着け・・大丈夫だ・・・ゆっくり行けば、大丈夫だ・・・」

そんなことを自分に言い聞かせながら、ゆっくり足を動かした瞬間!

足もとの木が折れ、そのまま床に落ちその衝撃で床も抜けてしまい、その抜けた底に背中から地面に叩きつけられた。

背中に痛みが広がる。 とても痛い・・・。

どうにか、上半身を起こし上の方を見上げる。

今まで整理して気づかなかったが、床の下に変な空洞が出来ていた。

未だにここがどうなっているのか、分からない僕はゆっくりと立ち上がる。

すると、僕が落ちて来たところに大きな棺桶とも取れるような箱が置いてある。

蓋と思われる部分は、ヒビが入って割れてしまっている。

たぶん、僕が落ちて来た衝撃でこうなってしまったのだろう・・・・・・

僕はゆっくり、その棺桶とも取れる箱に近づきヒビが入り割れてしまった蓋に手をかけて箱を開ける。


そこには・・・・・・一人の少女が眠っていた。


「いや・・・・・・違う・・・」

その少女を見て一人ポツリと呟く。

この、眠っている少女・・・それは人と見違うくらいに良くできた人形・・・・・・。

僕はその少女の人形に時間を忘れて魅入ってしまった。

ゆっくりと、少女の人形に手を伸ばしたときだった!

少女の人形の目が動いた。

丁度、その時・・・僕とこの人形の少女の目と目が合った・・・・・・。

ここから、僕と彼女の話が始まる――――――




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  1. 2008/06/23(月) 23:48:47|
  2. 小説
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