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雪原の生活日誌・・・と、ちょっぴ小説

私の活動記録を書いたり、小説をちょっぴり書いたりします。 まだ、書き始めたばかりなので正直下手ですけどよろしくお願いします。 コメント何かくれたらとてもうれしいです!

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姫さまと宇宙(そら) 6

元いたところでは存在がなくなり、そして今。

つい、数日前から始まった俺の第二の人生・・・それも今まさに終りが近づいている。

この、わけのわからない花に喰われて・・・

今思えば俺の人生いいことがなかった。

幼いころから家ではいつも一人でいた。

両親はいつも出かけていて、数日間顔を見ないことも度々あった・・・

アルバムを開けば、数枚の写真が出てくるだけ。

そのなかで両親と一緒に撮った写真・・・それは一枚だけだった。

いつ撮ったものなのか覚えていないくらい、俺が小さい頃の写真・・・

時々その写真を眺めては顔を思い出す。

寂しくはなかった・・・・・・

それが当たり前だと思っていたからだ。

そんな俺のそばにいつも御凪がいてくれた。

一緒に遊んだり、時々ご飯を御馳走になったり・・・

たぶん両親と一緒に生活していたよりも、御凪や御凪の両親といた時間の方が多いと思う。

寂しくはなかった・・・・・・ただ・・・羨ましかった・・・

家に帰れば、暖かく迎えてくれる家族がいて。

頼れば助けてくれる人がいて・・・

だからこそ、人とは違う・・・いつもとはかけ離れたものを求めたのだろうか。

空っぽの自分を満たしてくれるモノ。少ない思い出を埋めてくれるモノ・・・

それも、もう叶うこともないだろう・・・

だって、俺はもうここでー・・・

自分から全身の力を抜いて全てを諦めた。

何も思わない・・・でも・・・ひとつ心残りがある。

「俺が死んだら誰か悲しんでくれるかな・・・」

一人呟いた。



花の怪物はユラユラとツルを動かしていたが、それをピタリと止め、次の瞬間――

一斉に風を切りながら俺めがけてツルを伸ばす。

今までの捕獲とは様子が違う。今度は狙った獲物を狩るために・・・

僅か数秒の出来事だろう・・・ツルは地面に勢いよく刺さる。

だが、音がするだけで痛みはなかった。

ただ、感じるのは強引に襟首を掴まれて引っ張られたような感覚それだけだ。

俺は、薄らと目を開けてどうなったのか確認をするとそこに―――

「姫さま~、準備いいですよ~」

この場とはあまりにも合わない元気な声と笑顔で手を振るリリアさんがそこにはいた。

「よくやった、リリア・・・・・・」

そう姫は言うと、今まで手に持っていたと思われる身の丈位の筒を静かに持ちかまえる。

その筒は鉄でできているようで、形としては重火器のバズーカに近いような物・・・というよりも現物そのもの・・・

「さて・・・私の家臣をずいぶんと苛めてくれたようだな・・・その代償・・・高くつくぞ・・・」

トリガーを引き、弾が発射され、花の怪物にあたり吹き飛び燃える。

花の怪物は低い呻き声をあげながらも姫を捕まえるために数本のツルを勢いよく伸ばす・・・が遅すぎた。

何かのピンが外れる音が響き、姫は手に持っていたボールくらいの大きさのものを投げつけた。

ボールのようなものは怪物に命中・・・その瞬間、爆発した。

怪物は、さらに吹き飛ばされ、後ろにあったあの怪しい門に激突し門が壊れる。

あたり一面が燃え、緊急用のスプリンクラーが稼働し、火を消していく。

怪物はその後、もぞもぞと動きながら逃げるように門があったところの奥に、逃げていた。

俺はそれからしばらく姫の姿をぼんやりと眺めていた。

近づいて色々と言っていたけど、何て言っていたのか分からなかった。

そのまま、俺は意識を失った・・・


~つづく~






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  1. 2008/02/09(土) 22:00:54|
  2. 小説 : 姫さまと宇宙(そら)
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姫さまと宇宙(そら) 5

「ん?なんだこれ?」

そこには不自然に赤色の花が咲いていた。

辺りは緑で明らかその赤は目立っている。

何故こんな所に咲いているのか不思議だが俺はその花にそっと触れようとした時だった。

花が植わっていた所を中心に地面がひび割れ、轟音が鳴り、木から数羽の鳥が飛び立っていく。

俺はその場から慌てて後ろに下がると、そこには・・・・・・



とある部屋・・・・・・

姫は紅茶を飲みながら一人椅子に座り本を読んでいる。

机には、ポッドと茶葉が入った瓶。

そして、3冊の本が置いてある。

紅茶を飲みそのカップを置こうとした時だった。

ピタリとその手が止まり、まだ中身が残っているカップを見つめる。

「ふむ・・・また、何かあったようだな・・・」

そう、一言つぶやきカップを机の上に置くとゆっくり眼を閉じる。

わずか数秒の時間が過ぎ、目を開ける。

「何やら、面白い事になっているな・・・・・・」

椅子から立ち上がり、部屋を出て行く。

その時の姫の表情はどこか楽しげであった。




「ハァ・・・ハァ・・・何なんだよ一体・・・」

俺は今全力で走っている。

たぶん、今までにない以上全力のような気がしてならない。

後ろを振り向くとそこには、大きな花の化け物が無数のツルを伸ばし今まさに俺を捕まえんとしようとしている。

植物図鑑はまったく読んだことはないが断言できることが一つだけある。

今、俺を後ろから追いかけてきている花の化け物は、絶対に図鑑には載ってないと・・・

「俺を捕まえてどうするんだ!」

花の化け物に向かって怒鳴るが当たり前だが何も喋らない。

「たぶん、栄養のため食べるんじゃないか?」

どこからともなくあのどこか冷たい物があるような姫の声が聞こえる。

が、どこにも姿は見当たらない。

「何をしている。もっと早く走らないと食われて大変な事になるぞ」

「ちょ・・・ふざけるな!こんな所で、あんな訳のわからん怪物の栄養になれるか!!」

「ならば、走れ」

あまりにも、酷い言葉だ・・・。て言うか絶対に楽しんでるってあの人は・・・

「楽しんで悪いか」

「な・・・お前どうして―――――」

「もう少し早くしないと本当に食われるぞ」

姫の言うとおり、すでに花の怪物は後ろまでツルを伸ばしていた。

さっきの会話で怒鳴ったせいか、体力が無くなりだんだん失速している。

もう助からない・・・そう、思った時だった・・・

「あきらめるな!!」

その、一言がこの広い庭園になり響いた。

姫の声だ。

さっきまでの冷たい声とは違う、何か願うようなそんな感じの声・・・。

その言葉が繰り返し頭の中で繰り返し聞こえてくる。

不思議だった・・・その言葉を聞いたとたんに、走り続けて無くなりかけていた体力が一気に戻った。

さっきまでとは違う。体が物凄く軽く感じる。

ツルがだんだんと伸び、今まさに捕まる寸前だった、俺は地面を強く蹴った。

間一髪。ツルは勢いよく空を切った。

俺はそのまま加速し走る続ける。

そして、ついに見えた。




今まで走って来た長い道の先に、大きく開けた空間。

そして、ついにたどりついたその先には、あの鍵をかけた怪しい門があった。

俺はその門の前で立ち止まり、その場に倒れこんだ。

「体に・・・力が・・・」

今までの軽さが嘘のように体が重い。

そして、何より、いくら体に力を入れても全く入らない。

体を無理やり動かそうとするがそれも無駄な努力だった。

まだ、残っている力で後ろを見るとそこには花の怪物が無数のツルを拡げてジワジワと近づいて来ていた・・・・・・。





~つづく~




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  1. 2008/01/18(金) 00:36:14|
  2. 小説 : 姫さまと宇宙(そら)
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姫さまと宇宙(そら) 4

「普通こんな事は一人でやらせるもんじゃないだろ・・・」

広い庭園の中、を俺は掃除をしている。

先ほどから言っての通り、一人だ。

そして、この庭園の広さは未だに不明である。

一体、何時になったら終わるのだろうか・・・





あの、姫さまの家臣となり早三日が経とうとしている。

その間俺は仕事を覚える事に必死になっていた。

一日目はまず簡単に城の中を案内してもらい、その後、避難経路の確認。

テロリスト対策、銃火器の扱い方、その他もろもろ・・・・・・

本当に必要あるのかと思う事を色々教えられた。

二日目では、昨日のおさらいを兼ねてのテスト・・・。

結果としては、家事全般の事については、かなりの高得点を獲得したのだが、銃火器の扱いなどのテストでは、過去最低点数に並ぶ点数を出してしまった。

そもそも、俺としては本当に必要なのか、問いただしたいものだ。

ごく普通だった学生がいきなり銃の扱い方など教わってもできるはずもない・・・・・・

と、そんな愚痴をこぼしながら、俺は洗濯をしていたわけだ。

しかし、ここの洗濯物の量と言ったら半端ではないくらい多い。

おまけに、ここには洗濯機と言うものがなく全部手洗いと来たものだ。

地球ではあんなに科学が進歩していると言うのに・・・・・・

泡まみれになりながらも二日目が過ぎて行った。


そして、今現在に至るわけだが・・・・・・

今、俺の目の前には、あからさま怪しい門を前にしている。

所々ツタが絡まっていて不気味な事この上ない。

しかし、それよりも不気味なのがこの門が全開に開いて頑丈そうな錠が地面に落ちていると言う事だ。

中の方を少し覗き込むと、何やら草木が蠢いているように見える。

「なんだか・・・ヤバそうだな・・・ここは後にしよう」

俺はそう言うと、この門を閉じて鍵を閉めた。

この時は思いもしなかっただろう。この事が自分の首を絞める事になるとは・・・・・・



「姫さま。お茶が入りました」

辺りには、紅茶のいい匂いが漂う。

姫はリリアがいれた紅茶を受取りそれを飲み一言聞いた。

「そう言えば、クロはどうした」

「今は庭園のお掃除をしていますよ」

いつもと変わらぬ笑顔で答えるリリア。

姫はそうかと一言言いま紅茶を飲む。

「そう言えば、リリア・・・・・・クロにあの場所の事は説明した?」

姫の質問に、あっ、と声を上げる。

「何も言ってないのか・・・・・・」

「その、すみませんでした」

頭を深く下げるリリアに姫は言った。

「別に問題はないだろう。 あの門には頑丈な錠がしてあるから心配はいらんだろう。 ところでリリア・・・もう一杯、紅茶をいれてくれないか」

「はい。かしこまりました」

辺りは紅茶のいい匂いが漂う。



一体、何時間経っただろうか・・・・・・

ひたすら同じような場所を行ったり来たりしている。

まるで迷路のように複雑で、同じ景色が見える。

最初は見ていて良かったがさすがに飽きてしまった。

持っていた箒を置き、俺はその場に寝転がり、大きく伸びをする。

「少しくらい休んでも大丈夫かな」

そう言うと、ゆっくり眼を閉じて寝た。

辺りはとても静かで、時々風が吹いて気持ちが良い。


―――――ガサガサ―――――


丁度、寝転がっている横の方から物音がした。

そこには、人がしゃがめば隠れられるほどの草むらがあった。

「ん?なんだ?」

俺は立ち上がり、音のした方の草むらを覗き込んだその時だった・・・・・・




~つづく~




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  1. 2008/01/01(火) 22:10:59|
  2. 小説 : 姫さまと宇宙(そら)
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姫さまと宇宙(そら) 3

「おはようございます」

「あ、おはようございます」

礼儀正しい挨拶につられ挨拶を返す。

それから、何も話す事もなく数分が経過・・・・・・

「あ、そうでした!」

思い出したように座っていた椅子を立ち上がり俺の手を掴み

「さあ、早く行きましょう!」

そう言うと、手を引っ張っり強引にベットから引きずりだす。

何がどうなっているのか分らない俺は彼女に引っ張られながら部屋を出る事になった。




それから、廊下と思われる異常にでかい通路を通り数分が過ぎる。

俺の目の前には今、大きな扉がある。

横ではメイド服を着た女の人がニコニコしながら俺を見ている。

これは、開けろと言う意味なのか・・・・・・

俺はドアノブに手をかけその扉を開ける。

そこは、俺が寝ていた部屋と同じくらいの大きさで、部屋には立派な家具がなるんでいる。

「ん?やっときたか」

奥の方から蒼い髪の少女がこれまた高そうなカップを持って出てきた。

「姫さま!言われた通りにお連れしました」

「うむ、ご苦労であった」

言いながら、近くの椅子に腰をかけ俺の方を見る。

「で?お前、体の調子はどうだ・・・」

体の調子を聞かれるが、何が何だかさっぱり分からない。

何も分かっていない事を悟り溜息が少女から零れる。

「はぁー・・・・・・お前・・・何も覚えてないのか」

呆れられたような目で見ると、すぐ横にいるメイド服を着た女の人に視線を向ける。

それが合図と言わんばかりに、女の人から昨日何があったのかを聞かされた。

そして話の結論を言うとどうやら、頭に血が上った俺は、少女に殴りかかろうとしたが、少女はそれをかわし俺を豪快に投げた。そして、その後、俺は気を失った。・・・・・・と言う話だ。

いかにも簡単で恥ずかしい話なのだが、これを理解するのにかなりの時間がかかった。

なにぶん、話に尾ひれがついていて何を話しているのかさっぱり分からなかったからだ。

質問に対しては大丈夫と答えておいたが、本当は少し痛い。

だが、目の前にいる少女が何者か分からない今・・・・・・

容易に、弱い所を見せるわけにはいかない。

しばらく沈黙が漂う。

「さて・・・これからどうするかだ」

少女はカップにある液体を飲みながら呟いた。

カップからはいい匂いが漂う。たぶんさっきから飲んでいるのは紅茶かそこら辺の飲み物だろう。

「お前には今、帰る所がないわけだが、お前はどうしたい」

冷たい視線を俺に向けながら聞いてくる。

別にどうしたいわけでもない・・・・・・

ただ、俺は帰っていつも通り変わらない生活を送りたいだけだ。

でも、今の俺はそれすら出来ない。

俺が今までいた場所・・・・・・そこに俺は居ないと言う事になっているのだから。

「分らない・・・・・・」

ただ、一言・・・・・・そう呟くだけだった。

「はぁー・・・まったく仕方がない奴だ・・・・・・自分の事ぐらい自分で決められないとは・・・」

また少女から溜息が零れる。

「・・・・・・」

何も言えずに黙りこむ。

「リリア・・・・・・頼んでおいた物の準備は出来ているか?」

少女は、メイド服を着た女の人はもちろんですと言わんばかりにどこからともなく、黒い服を出してきた。

「これお前にやる、その代りにお前は余の家臣となれ」

「・・・・・・は?」

突然の事に頭がついてこれていない。

何故、そうなるのか説明してほしいものだ・・・・・・

「説明が必要か?ならば説明してやろう」

それほどまでに俺は分かりやすいのか心を読まれてしまった。

「簡単な事だ。お前が余の家臣となればお前はここにいる理由ができるからだ」

「・・・・・・もし・・・俺がそれを断ったら?」

「そのまま宇宙に放り出す」

あまりにも早い答えに唖然とする。

「さて、お前の答えを聞こうか・・・・・・好きな方を選べ。余に忠誠を誓うか・・・それとも、宇宙に放り出されるか」

しばらく悩んでいると、リリアと呼ばれた今まで俺の近くにいたメイド服を着た女の人が補足のように言った。

「姫さまは出来ない事はやらない人ですし、言った事は絶対にやりますから~」

ニコニコ言うがそれがまた恐ろしく感じる。


別に何もする事など決まってはいない。

元の生活にもう帰る事が出来ないのだから、このまま俺は人生を止めてもいいと思った。

それに緊急ポットの中で、もう俺は死ぬつもりいたのだから。

でも、今はこうして生きている。

何で自分が生きているのか分らない・・・・・・意味はあるのだろうか?

その意味が見つかるまで、もう少し俺は生きていてもいい・・・かな?

別にやる事もないし、やめる事はいつでも出来る。

色々思う事はあるけど、もう少しだけ生きてみよう。


「分った・・・・・・俺は・・・君の家臣になろう・・・」

悩んだ結果俺はこの答えを出した。

これが正しいのか、間違っているのか分らないけど・・・それが分かるまでは・・・・・・

「そうか・・・ならばよかろう」

少女は立ち上がりリリアさんから服を取り俺に渡す。

「その服ともう一つお前に名前をやろう・・・・・・」

しばらく少女は考える。

「お前は今日から『クロ』だ・・・・・・分ったな」

ずいぶんと慣れ親しんだ名前のような気がしてイヤなのだが、ここで、もし断れば宇宙に投げ出されるかもしれない。

俺は渋々、了解をした。

こうして、今まであだ名としての名前が俺の本当の名前となり、新しい俺の人生が始まった。



~つづく~



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  1. 2007/12/26(水) 00:05:53|
  2. 小説 : 姫さまと宇宙(そら)
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姫さまと宇宙(そら) 2

~姫さまに忠誠を?~



少女に助けられてから早いもので、たぶん2日くらいが過ぎている。

日時が曖昧なのは、この部屋に日付や時間を示すものがないからだ。

もはや、監禁と言ってもおかしくはないだろうと思うような部屋に閉じ込められている。

何をしようにも、両手に手錠をされ何も出来ない。

ただ無駄に時間が過ぎて行く。

「このまま、俺どうなるんだろう・・・」

「さあな、それを決めるのはこれからのお前の行い次第だ」

何百・・・いや、何千回目かも分らない独りごとに返事が返ってきた。

この、何もない部屋の入口。

そこには、数人の護衛と一人のメイド服を着た女の人を連れたあの、蒼い髪の少女が冷たい視線で俺を見ながら立っていた。

「何しに来た」

「今のお前の立場を考えて物を言うのだな」

強気な態度で行って見たが、それをあっさり返され言葉を詰まらせる。

後ろには銃を持った護衛が数人いる。

確かに立場は悪い・・・と言うかさっきの一言でさらに立場が悪化したように思える。

さっきから護衛の一人が今にも撃とうと腰にある銃のホルスターに手を置き身構えている。

「まあ、待て。今はお前を殺しに来たわけではない」

少女が制止をかけるとその護衛は渋々、手をホルスターから離して、今度は痛いほどの殺気のある目線を送って来る。

「数日前、お前は地球人と言っていたな」

隣にいるメイド服を着た女の人から、何かのファイルを取りパラパラとめくり見る。

「確かに最近、小惑星が船に直撃した事故はあった。船員、乗客は避難したと言う報告も受けている・・・・・・が、お前の言う、『黒峰 流也』何て名前は乗客リストには載っていなかった」

少女は手に持っているファイルを俺の前に投げ、リモコンのような機械で何かを押す。

すると、手についていた手錠が、ガシャンと言う音を鳴らして地面に落ちる。

俺は自由になった手で先ほど投げられた、ファイルを取り、めくって行く。

無数の乗客の名前、住所、性別、年齢、血液型、両親・・・・・・

だんだんと見て行くにつれて、不安と恐怖感が募っていく。

そして、最後のページには・・・・・・


行方不明者・・・・・・0


どのページにも『黒峰 流也』と言う名前が載っていない。

全身の力が一気に抜け、手に持っていたファイルを落とす。

一体何なのだろう・・・・・・俺は今まで何をしてきたのだろう・・・・・・

名前の乗っていないリスト。

宇宙に飛び立つ前にいくつもの厳重なチェックがされる。

名前、住所、性別、年齢、血液型、両親・・・・・・

それは、何が起きても態様できるようにチェックされ、そして、それは誰が宇宙に行ったか、と言う証明として記録される。

このリストはその記録から、出されたもので、それに名前が載っていない。

それは、存在していない・・・・・・と言う事になる。

眼から涙が零れ、それをきっかけに両目から涙が溢れ出てくる。

俺は泣いた。

自分の存在が否定された。世界に・・・今まで暮らしてきた所に・・・・・・

もう、分からない。

自分が誰なのか・・・・・・何をしていたのか。

俺は今まで本当に生きていたのか。

「泣くな!みっともない!!」

少女は怒鳴った。

周りの護衛はそれに驚き慌てふためく。

「だって・・・・・・俺は・・・いないんだ・・・。俺はどこにも存在してない・・・」

「それが、どうした!」

俺は少女のその言葉に怒りを覚えた。

「ふざけんなよ・・・。お前に・・・お前に何が分かるって言うんだ!!」

立ち上がり俺は少女に殴りかかろうとした瞬間だった。

体が宙に浮き、そして、床に背中から叩きつけられ体に激痛が走る。

何が起きたのか、分からなかった。

そして、少女は俺を見下ろしながら言った。

「たかだか、こんなリストに載っていないだけで存在していないだと?笑わせるな!今お前はここにいるではないか。何が存在していないだ!」

怒鳴り声がだんだんと小さくなって行く。

視界も霞んで見えなくなって行り、最後にあの少女が立ち去ろうとしていたが、最後に何か言っていた。

そこからは、何も覚えていない・・・・・・たぶん気絶したのだろう。





誰かの話声がする。

聞く限りでは、女の人のような声だった。

それにしても、暖かい・・・・・・

全身が柔らかいものに包まれていてとても気持ちがいい。

体をモゾモゾと動かすが体に痛みが走り、俺は目が覚めた。

そこは、あの何もない部屋ではなく、あそことは違う綺麗な装飾で飾られ、暖房も利いた暖かい部屋で、俺が寝ていた横でメイド服を着た女の人が何か縫物をしていた。

ボンヤリそれを眺めていると、俺に気づきメイド服を着た女の人はニッコリと微笑んだ。


―――つづく―――


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  1. 2007/12/15(土) 23:49:54|
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